名取トレイルセンター Trail Days イベントリポート

信越トレイルのトレイル整備作業。ハイカーズデポでは2013年から参加させていただき2022年で10年目となりました。コロナ禍のためイベントとしての募集告知はおこなわず、数人の有志でおこなった2022年夏のレポートをご覧ください。

2022年7月9日、10日の一泊二日。信越トレイルのお膝元であるトレイルタウン「長野県 飯山市」「栄村・新潟県津南町」。この地の生活文化や食文化の体験、信越トレイルのハイキング、そしてしっかりとトレイル整備にも参加する。そんな体験を「トレイルエクススペリエンスツアー」としてハイカーズデポではこれまでも企画してきました。2022年夏のツアーでは、1日目に延伸した信越トレイル一部をハイキングをさせていただき、2日目に延伸エリアの整備をいたしました。

ハイキングの舞台となるトレイル。世界各地のトレイルにはその土地ならではのトレイルカルチャーがあります。それはトレイル沿いに点在するトレイルタウンやその地域の文化のうえに育まれてきたものです。

昨年にひきつづき新型コロナ感染拡大が懸念される時期でした。そこで信越トレイルクラブとも話し合った結果、ホームページでの参加者募集は行わず、有志数名でまずは整備作業を継続することに重きをおいて実施させていただきました。今後はまた多くの方とトレイルタウン飯山を体験し、トレイル整備もめいっぱい一緒に楽しめるようになることを願っています。このような時期に受け入れていただいたかたくりの宿、信越トレイルクラブのみなさまにはこの場をかりてあらためて感謝申し上げます。

【2022年7月9日 DAY1】

森宮之原駅 にて集合しました。事務局長の大西様よりご挨拶をいただいたあとに、今回の参加者5名と信越トレイルクラブの鈴木氏と佐藤さんとスタッフの自己紹介としてから、ハイキングエリアまで信越トレイルクラブの車両にて移動しました。移動の車内では信越トレイルクラブの鈴木氏による信越トレイルのルートのご説明をしてくださり、車内を盛り上げてくださいました。ハイキングのスタート前に眺めのよい「トドの展望台」にて昼食をとります。




昼食後は、車両にもどりハイキングスタート地点まで移動いたします。今回は信越トレイルのセクション9エリアの一部の「見倉トンネル 〜 かたくりの宿」
を約5キロほどをハイキングです。スタート地点までの間にトイレによっていただきました。ご配慮いただきありがとうございます。




とても天気がよく、暑い日でした。日当たりのよいところでは日差しがまぶしく、湿度もたかく汗をじわじわとかくような感じでした。


信越トレイルの利用状況の把握するため、入山数の調査をおこなっているそうです。小さい箱に数取器が入ってました。一人づつ参加者の方々も押していきます。シーズンが始まると同時に0からスタートしているのことで、今回は参加者の最後にあるいていた方が80番目でした。ぜひお越しの際は、自分が今年のシーズンがはじまってから何番目なのかチェックしてみてください。



信越トレイルクラブの佐藤さんにトレイルに生えている植生や歴史を教えてもらいながら、ブナ林を進んでゆきます。風がふくと、とても心地よくその時だけは、暑さが少し忘れることができます。


とても良い香りがする「クロモジ」。緑の枝に黒い斑点があり、文字を書いたように見えることから「黒文字」と呼ばれているそうです。抗菌作用、抗ウイルス作用、消臭作用、防虫作用など様々な効果があり、高級な和菓子の爪楊枝にも使われるそうです。淑女たちにお気にめしてただいたようでした。
淑女たちをとりこにする「クロモジ」。ぜひ歩いているときに見つけていただき幸せな瞬間を共有できたらと思います。


涼しい~。ひんやりとした風が体のほてりをとってくれます。暑い日だったのでもうここから動けない…。動きたくない…。




本当はいく予定ではなかったのですが、今回のご参加者たちはベテランハイカーだった為、歩きたりないとせっかく来ていただいたのに申し訳ないと
信越トレイルクラブの方のお気使いで、三倉の大栃まで足を伸ばしてみることに。登っていくと緑が濃くなりシダも多くなっていきました。風が抜けないトレイルで湿度もぐっとあがったように感じで、暑さが増し汗が吹き出ました。到着すると、カメラに収まりきらない大きさの栃の木で圧倒されました。全国森の巨人たち100選に選定されているようです。



一旦ロードに出てから、またトレイルに入り見倉集落を目指します。



トレイルを抜けると、集落に到着。素敵な景色すぎて、足がとまってしまいなかなか前に進めませんでした。こちらも信越トレイルのルートとなります。
おもわず「わぁ~!!」といってしまうような、集落を歩かせていただく場所でした。歩く時期のよっても景色が変わりそうですので、これから歩く方はそれもお楽しみにしていただけたらと思います。




三倉の集落を名残惜しい気持ちであとにし、結東へ向かう最中、ホタルを見つけました。季節を感じると共に普段あまり出会わないので、盛り上がりました。参加者の方がみつけて手にそっとのせ、みんなに見せてくれました。ありがとうございます。






信越トレイルクラブの佐藤さんより「高所恐怖症の方はいますか~?これから吊り橋をわたります」とアナウンス。参加者の方々は幸いにも大丈夫のことで見倉橋を目指します。実際について、渡ってみると想像以上にゆれる。ゆれる。5名の参加者たちはスリルを味わいながら、無事に通過します。実際に苦手な方は吊り橋を渡ることができなくて、引き返す方もいるそうです。遠回りなり、信越トレイルのルートではないですが回避する道もあるそうです。



本日の宿泊先のかたくりの宿を目指してもう少し進みます。トレイルよりも、遮るものがないロードの方が日差しが直接上からと、熱くなった地面からの熱で暑くかんじます。



一旦、お宿は通り越しうれしいおやつを信越トレイルクラブにてご用意してくださっているのことで、ワクワクしながら休憩場所まで向かいます。その最中に明日はここの脇のルートより整備に向かいますとご説明頂きます。明日の整備する場所のイメージをふくらまします。


日本農村景観百選にえらばれている「結東の石垣田」にておやつタイム。ふきのとう羊羹とえんめい茶をご用意いただきました。ふきのとう羊羹は津南町にある風月堂さんの銘菓のことです。天気の良い暑い日だったので、羊羹とお茶は、体に染みわたりました。ごちそうさまでした!! 羊羹は小さいサイズもあるようですので、ハイキングの時に持っていくのも良さそうですね。


森宮之原駅からハイキングスタート地点までの運転、「見倉トンネル 〜 かたくりの宿」のハイキングをご案内してくださった信越トレイルクラブの笑顔がステキな佐藤さん。佐藤さんは信越トレイルはもちろん、アメリカのアパラチアン・トレイルもスルーハイクした経験がある方です。昨年の秋には、当店舗のオーナーの土屋と共にあまとみトレイルも歩いていただきました。今回のハイキングでは、ここで紹介しきれないくらい色々と信越トレイルの植生や歴史を教えてくださいました。ありがとうございました。


信越トレイルクラブの鈴木氏。鈴木氏もアメリカのアパラチアン・トレイルをスルーハイクされたご経験がある方です。また信越トレイルの開通から、信越トレイルに携わっておられます。分からないことがあったら何でも聞いてくださいね~。とても気さくで話しやすい方なので、信越トレイルのことを聞いたり、このあたりの地域のこと訪ねたりと話が絶えませんでした。今回のツアー2日間お世話になりっぱなしでした。ありがとうございました。



宿泊するかたくりの宿へ戻り、自由時間となります。かたくりの宿は、廃校になった小学校を宿泊できる施設し、さらに源泉かけ流しの温泉もあります。地のものをつかった料理が魅力のお宿です。敷地内でキャンプをすることもできます。この日もキャンプされている方がいらっしゃいました。




たのしみな夕食時間まで、各自好きなようにのんびりと過ごしていただきました。お風呂は元校長室だったようで、泊まるお部屋もなつかしい教室札でわかれてました。夕飯前にお風呂でさっぱりして、夕飯のときを待ちます。



たのしみにしていた夕飯の時間です。地元でとれた食材をつかった創作料理。お腹が空いていたのもあり食べるのに夢中になりすぎて、もっと写真をとるはずが…一部になってしまいました。我慢ができず、くいしんぼう欲をお許ください。全貌は、お越しの際のおたのしみにしていただけたらと思います。
時期によってもメニュー変わるようです。ハイキングでたくさん汗をかいたので塩分をほっしていたようで、味噌汁のおかわりを申し出てしまいました。わがままを聞いてくださりありがとうございます。美味しいお料理をごちそうさまでした。「美味しすぎて、お腹いっぱいだけどもう一回同じのを食べれるね」なんて話ながら、食堂をあとにします。

 


夕飯後は、各部屋へ。コロナ禍以前は信越トレイルクラブのみなさまから信越トレイルの歴史や現場、トレイル整備に関するさまざまなお話を聞かせていただく時間を設けていましたが、今年も残念ですがお休みです。トレイル運営に関わるみなさまの話を直接聞ける貴重な機会です。また再開したいですね。

【2022年7月10日 DAY2】

昨夜は、お腹いっぱいで大満足の夕飯後は部屋に戻り、お布団をひいて、横になっていたら…いつの間にか寝てしまってました。朝起きて天気を確かめるため、外に出ると少しヒンヤリするような心地ちよい気候でした。また雨は降っていなく安心しました。わりと早めの就寝だったので(だったと思う…笑)朝は早めにおきることができました。なので、源泉かけ流しの温泉に入ってから朝食をいただきました。


本日は、トレイル整備の当日です。その前にしっかりとエネルギーを蓄えます。毎朝、このようなおいしい朝食をたべれたら…思いながら、味わって
いただきました。食べ終わってから部屋に戻り、トレイル整備にいく準備をして、お宿のチェックアウトをします。お宿の内は、素敵な絵画や、施設前の小学校だった時のお写真が各所に飾られてました。また子供の頃を思い出すような懐かし空間。スタッフの方もとても親切な方々でした。大変お世話になりました。


チェックアウトを済ませて外にでると、青い空にまぶしい太陽がお出迎えしてくれました。良いお天気に恵まれました。しかし気温も湿度も高めです。
整備出発前に信越トレイルクラブの鈴木氏より本日の整備の説明を受けます。




トレイル整備で必要な道具をお借りします。鍬、つるはし、熊手、枝切はさみを分担して担当します。かたくりの宿の裏手からはじまるあずき坂を整備します。ルートで表すとセクション9の森之宮駅方面へ向かう場所です。


あずき坂。坂の名の通り傾斜です。かたくりの宿からは上りです。登りながら整備をおこなっていきます。整備につかう道具は、それぞれ各自に持っていただき、また整備中に使う物やお昼ごはんや飲み物も各参加者に背負って頂いています。

トイレルかかっている枝は、ハイカーが歩いていて、顔に当たらないように枝バサミで切っていきます。参加者たちは、ハイカー目線で見通しが悪そうな部分や伸びてきそうな枝も予測して切ってくれてました。

 



歩きにくいトレイルを、鍬やつるはしをつかって整備していきます。これがけっこうな重労働です。今回の参加者の5名中4名が女性でしたが、力仕事も積極的におこなってくださいました。男性の参加者の方には、より力がいる作業を担当していただきました。負担が多かったのにもかかわらず、最後までたくましく
とても心強かったです。


信越トレイルクラブの整備担当の田村さんは、電動のこぎりで倒木をハイカーが通りやすいように、削って倒木にステップをつくってくださいました。このようなステップがあるのとないとでは、歩きやすさがすこぶる変わります。


整備の途中に休憩をはさみます。心配していた雨はまぬがれたのですが、天気がよかったのでとても暑かったです。整備作業中は滴りおちるくらいの汗がでるような状況でした。歩くのよりも体力が奪われます。汗をたくさんかいているので、その分水分を補給が必要です。参加者の方々は、とても積極的に整備をしてくださっていたので、少し心配でしたが、信越トレイルクラブの鈴木氏が様子をみてこまめに水分補給のお声かけや休憩をとってくださいました。頑張り過ぎ注意勧告をもっと私からもお伝えするべきでした~。

 

トレイルにある倒木を移動するのも整備のひとつです。この画像の倒木だけでなく、他の倒木や重くて大きい石も移動してくださいました。よりハイカーが歩きやすくなる為と自発的に、絶妙なコンビネーションで作業を進めていただきました。


切り落とした枝を熊手で履いていきます。トレイルがはっきりとし、わかりやすくなります。整備中は参加者の方々全員がぴったりとくっついて作業ではなく、少し間隔が空いた状態なので自分より下で作業している人に、声を掛け合い注意をしながら、整備作業をしていきます。


歩きにくいところは、ハイカーが歩きやすいようステップをつくります。手作業なので、この作業もとてもパワーを要します。




このような作業を繰り返しながら、あずき坂の整備をしていきます。トレイルに覆いかぶさっている倒木は、手ノコギリで切ってから移動します。

 

 

あずき坂をのぼった所でお昼時間です。ひとまず午前中の作業おつかれさまです!!カップラーメン美味しそう~。汗をかいた後のカップラーメンは美味しいにまちがえありませんよね。香ばしいかおりと共になごやかな時間でした。参加者の方々がお昼時間につかう為にと引き物をご用意いただいてました。準備の良さに頭があがりません。「さすがです!!」

 


今回、整備につかった道具たち。無くさないように道具は一箇所にまとめようと参加者の方からご提案していただきました。おかげで午後の作業開始もよくありがちなどこに置いたっけ?事件がおこらずスムーズに始めれました。疲れている中、細やかなお気使いありがとうございます。

「つたうるし」。たいていの人がふれると赤くはれあがるそうです。素手でふれないように要注意です!!この時期、歩くときも整備をされる場合もご注意ください。今回のツアーでは、軍手持参のお願いと半袖の方には、アームカバーの併用を推奨していました。歩く時よりも、整備中は草木にふれることが多いので虫さされ対策と同時に長袖やアームカバーはあった方が良いかもしれません。



お昼を終え、午後の最初の整備は、道標の取り付けと方向を表す矢印をかいていきました。分岐点などでルートをハイカーが間違えないように道標をつけます。見やすい位置や角度をみんなで話し合い、仮止めして実際に歩いてみて本当に見やすいか?を検証しました。今回のツアーでは、2箇所道標をつけました。信越トレイルクラブでは、道迷いに関しても気にかけていただいているおかげで、ハイカーが迷いにくくなるのだなと改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。しかく歩くときは地図を確認しながら進んでくださいね。


整備したあずき坂を下り、スタート地点のかたくりの宿まで戻ります。登りと下りでは気になるところが違うと言っていただき、帰りも積極的に整備をおこなってくださいました。とても熱心で最後の最後まで真面目な参加者の方々でした。普通に歩くと1時間くらいのところ、約3時間かけて整備をおこないました。


トレイル整備で切った「クロモジ」。今日も淑女に人気です。本当に良いかおりなんです。文章で伝えれないのがもどかしい。。。。。


かたくりの宿に戻ってきてから、借りた道具を返却し、しばし休憩です。かたくりの宿の目の前に自販機もあり、冷たい飲み物でリフレッシュもできます。そして最後にツアーご参加者の方々に感想をきかせていただき整備は終了です。本当におつかれさまでした!!

整備を先導してしていただき、お世話になった信越トレイルクラブの鈴木氏と整備担当の田村氏。整備中、暑い中色々とお気使い頂きありがとうございました。


泣く泣くかたくりの宿をあとにして、森宮之原駅 まで信越トレイルクラブの車両にて戻ります。2日間ありがとうございました!そしておつかれさまでした。
またのご参加をお待ちしております。

最後に

今回も怪我なく無事に2日間が終了できたことがとても良かったです。それも信越トレイルクラブの方々、ご参加いただいた方々のご協力があってだと思います。改めまして、多大なご協力と配慮いただきまして本当にありがとうございました。恥ずかしながら、鍬をまともに使えなかったりと終始、皆様に助けていただいてばっかりでした。たよりにならない所を反省し、次回は少しでも成長した姿で皆様にお会いできたらと思います。
私は、自分がトレイルを歩いているときに、トレイルを整備されている方やゴミ拾いをしている方を目にしたことがきっかけで整備に興味を持ちました。しかしどのように参加したらいいのか?どこに問い合わせしたらよいのか?と?だらけでウズウズしていました。もし同じような思いの方がいましたら、入門編として是非ご参加のご検討いただけたらとおもいます。現段階では次回の整備ツアーの予定は決まっていませんので、詳細は分かり次第お知らせできたらと思います。
これからも続いていく信越トレイル。それに伴い必要な整備活動。それを続けていくには義務感や奉公みたいな気持ちではなく、整備そのものを楽しむという気持ちが一番大切とより深く感じました。参加20年目を目標にこれからもみなさんと一緒にトレイル整備に参加できたらと思っています。そして、みなさまのお力お貸しください!今後もよろしくお願いします。

INFORMATION

●トレイル整備協力金に寄付いただいた方に渡される信越トレイルのタグです。毎年色が変わるこのタグはちょっと集めたくなってしまいますよね。楽しい気持ちで整備にちょっと協力できるこのプログラム、ご興味の方はぜひ下記URLをご参照ください。
https://www.s-trail.net/maintenance-cooperation/

●信越トレイルクラブでは、このツアーとは別に整備ボランティアを募集している随時募集しているそうです。ご興味のある方はぜひ信越トレイルのホームページをご確認ください。

●ハイカーズデポでも、信越トレイルのマップやガイドブックや一部グッズも販売しております。ご興味のある方はぜひスタッフにお声かけください。

~以前の信越トレイル整備の模様は過去のHiker’s Notesよりご覧ください~

「Trail Experience Minimum Tour 2021」アフターリポート

Trail Experience Tour 2020 延期について

●「Trail Experience Tour 2019」アフターリポート

信越トレイル集中整備 2016 ボランティア参加報告

●信越トレイル集中整備2015 ボランティア参加報告

●信越トレイル集中整備 2014 ボランティアの参加報告!

信越トレイルの整備ボランティア2013に参加してきました。